C型肝炎

他人事だと思っている人が約100万人

C型肝炎とは?

国内では毎年約30,500人が肝臓がんで亡くなってます。
肝臓がんの原因の大多数は、肝炎ウイルスに感染したことによる慢性肝炎で、その約8割はC型肝炎であることがわかってます。
このようなお話しをすると、C型肝炎を大変怖い病気だと思われるかもしれませんが、現在では、C型肝炎でもきちんと治療すれば、高い確率で肝臓がんを防げるようになっています。
むしろ今、問題となっているのは、自分がC型肝炎であることを知らずに過ごしている人が、国内に約100万人もいるということです。

無症状のまま肝硬変・肝臓がんに進む「C型肝炎」

C型肝炎の自然経過の一例

C型肝炎とは、ウイルス感染によって引き起こされる肝臓の炎症です。
C型肝炎ウイルスに感染すると通常、急性の肝炎が起き一時的に肝機能が低下しますが、約3割の人は身体に備わっている免疫力でウイルスは排除されて、病気は治ります。
しかし残りの約7割の人は急性肝炎は治るものの、ウイルスを完全には排除できずに慢性の肝炎になります。
慢性肝炎では少しずつ肝臓が傷つけられて、やがて肝硬変に進行したり肝臓がんを引き起こしたりしますが、その間、自覚症状はほとんど現れません。

それが、C型肝炎に気づかずにいる人がたくさんいる理由であり、肝臓が“沈黙の臓器”と呼ばれる所以です。
ただし慢性肝炎の進行のスピードは非常にゆっくりしたものです。50歳を超えるころから進行が早くなりますが、それでも日一日と悪化するような病気では ありまえん。ですからC型肝炎と診断されても慌てる必要は全くなく、病気のことをよく理解して、あなたに合った治療をしっかり続ければよいのです。

C型肝炎の診断と治療を始めるまでの流れ

C型肝炎の病期の分類

(1)まずは抗体検査で感染の有無をチェック
住民検診などではまず受診者全員に、血液中にC型肝炎ウイルスに対する抗体(HCV抗体)があるかないかを調べます。抗体とは、体の中に進入した異物をか らだがしっかりと認識したことを示す物質です。結果が陽性なら、以前にウイルスに感染したことがあるという意味です。


(2)ウイルスが今もからだの中にいるかどうかを調べる。

HCV抗体検査が陽性と出ても、今もからだにウイルスがいるとは限りません。免疫力ですでにウイルスが排除されている人もいます。
そこで、抗体検査が陽性の人は、ウイルスがからだに残っているかどうかを調べる検査(HCV−RNA訂正検査)を受けます。それが陽性の場合に、現在もウイ ルスに持続感染している、つまり、C型肝炎のキャリアだと判定されます。

(3)治療の必要性を判断する
ウイルスに感染しても肝炎ではない「無症候性キャリア」の人もいます。(抗体が陽性の人の約4割)。その場合はすぐに治療を始める必要はなく、定期的 (3〜6ヶ月おき)に検査を受けて肝炎が起き始めたとわかったときに治療を開始します。
肝炎が起きているかどうかは、GOTやGPT(最近はAST・ALTともいいます)などの検査で確かめます。GOTやGPTは肝炎の酵素で、肝炎で肝臓の細胞が壊されたと き血液中に流出します。

C型肝炎の感染経路
C型肝炎は血液を介してのみ感染します。血液を介すというと、具体的には輸血・血液製剤や消毒の不十分な状態での医療器具の使用、カミソリの共有などで す。このうち輸血・血液製剤と医療器具についてはすでに対策が徹底されていて、今後このルートで感染することは非常に少ないといえます。
日常生活でも、カミソリなどの血液が付着する可能性のあるものさえ共有しなければ大丈夫で、性交渉でもまず感染しません。ただ出血を伴うピアスや入れ 墨(タトゥー)の取り扱いに注意してください。
なお、母子感染の確率が1割あるといわれていますが、赤ちゃんの場合、成長過程で自然にウイルスが排除されることが多い(約30%)ですし、成人して肝炎 が進行し始めるころまでにはC型肝炎の治療法がもっと進んで簡単に治せる病気になっていると考えられますから、そんなに心配しなくても大丈夫です。


(4)肝臓の進行段階や肝臓がんの有無を確認する
GOTやGPTでわかるのは、検査時点における肝臓の炎症の程度だけで、肝炎の進行状況はわかりません。そこで、血小板数(肝炎の進行とともに少なくなる) やヒアルロン酸の量(進行とともに多くなる)、超音波・CTなどの画像診断、肝生検(肝臓のごく一部を取り出して顕微鏡で観察する)といった検査を行い、 病期(どの程度肝硬変に近づいているか)や肝臓がんの有無を調べます。

(5)ウイルスの量とタイプを調べる
C型肝炎の治療が必要な状態であればウイルスの量とタイプを調べます。ウイルスの量が多ければ、その排除に時間がかかるであろうと予想されます。
ウイルスの量が多ければ、その排除に時間がかかるであろうと予想されます。
またウイルスの排除しやすい(治療しやすい)タイプとそうでないものがあり、治療法を決める判断材料になります。ウイルスの量はHCV−RNA定量検査(ま たはHCVコア抗原検査)でタイプHCVゲノタイプ(またはセロタイプ)検査などでわかります。
原因療法と対症療法があります。
原因療法は、ウイルスをからだから完全に排除することを狙った治療で、成功すれば病気の進行は停止し、正常な肝臓に向けて改善していきます。対症療法 は、ウイルスを排除することはできなくても、肝臓の炎症をできるだけ抑えて、病気がなるべく進まないように管理し続ける治療のことです。
どちらの治療法を選ぶかは、肝炎の病期、ウイルスのタイプや量、患者さんの年齢や健康状態などさまざまな要素を考えて決めます。医師の説明を良く聞き 、治療方法についての希望があればしっかり伝え、納得した上で治療を始めましょう。