肝臓病 (肝臓専門外来)
肝臓は、沈黙の臓器といわれます。
非常に強い再生力をもち、ヒトの活動エネルギーの源を産生・貯蓄し、解毒することのできる肝臓は、人体の工場に例えられるほどです。 しかし、肝臓の病気については、動きのある心臓や症状の出やすい肺、胃腸などの臓器と異なり、自覚症状から状態を把握するのは困難です。
外からはわかりづらい肝臓の病気ですが、血液生化学検査のデータを正確に読み取り判断することで肝臓の状態を把握することが可能になります。 同じ検査結果の数値でも疾患によって全く違う意味を持つことがあり、その判断や治療には経験が要求されます。 院長は、肝臓専門医として多くの経験があり、肝疾患全体を見通した上での適切な診断や治療、助言等を行うことが可能です。 肝臓に関するどのような心配でもご相談にのりますので、お気軽に受診下さい。
(専門外来としての時間は、特に設けておりませんので、診療時間内にお来しください)
当院で対応できる肝臓の疾患および治療
(専門用語がありますが、詳細は診察で説明)
肝機能障害の精密肝機能検査および診断
一般生化学検査の評価
ウイルス血清学的検査
(ウイルスマーカー等)
ウイルス遺伝子学的監査
(PCR、核酸変異等)
肝臓線維化マーカーによる評価
肝臓予備能・肝不全の評価
腹部エコー検査
(形態的診断・癌スクリーニング)
提携機関でのCT・MRI撮影・説明
食道静脈瘤の評価(内視鏡検査)
インターフェロンフリー経口剤治療: DAAs(direct anti-viral agents*)治療
*直接ウイルスに作用する製剤という意味
(肝炎のページに記述)
(1)マヴィレット (グレカプレビルGLE/ピブレンタスビルPIV配合錠)
(2)ハーボニー (レジパスビルLDV/ソホスブビルSOF配合錠)
(3)エプクルーザ (ベルパタスビルVEP/ソホスブビルSOF配合錠)
(4)エプクルーザ・リバビリン (エプクルーサ及びリバビリンRBV併用療法)
肝庇護療法
*核酸に類似したものの意味
エンテカビル/ラミブジン/アデフォビル
/テノフォビル(TDF/TAF)
インターフェロン療法
(ペグ、皮下注、長期少量投与など)
ワクチン間歇投与(自費)
肝炎治療(従来型肝庇護療法)
静注用グリチルリチン製剤投与
強力ネオミノファーゲン,SNMC
三剤併用療法
内服剤(ウルソ等)
肝硬変治療
肝性脳症の診断
門脈圧亢進症・食道静脈瘤評価
肝不全用特殊組成アミノ酸輸液製剤療法
難治性腹水のための静注アルブミン製剤/利尿剤治療
ラクチュロース注腸
分枝鎖アミノ酸製剤処方
こむら返り治療
(芍薬甘草湯, アミノ酸製剤,
カルニチン製剤等)
※ B型肝炎・C型肝炎の方は、肝炎の治療助成制度があります
ウイルス肝炎検査
①川口市肝炎ウイルス検診
対象者と申込み方法:
(1) 20歳以上
(2) 20歳~29歳の男性方で、過去に肝炎ウィルス検診を受診したことがない方は、医療機関へ予約する前に、地域保健センターへ受診券発行の申し込みが必要です。
保健センターからの受診券(はがき)を持参の上、当院で受診をしてください。
②埼玉県が実施する肝炎ウイルス検査
市や職場の肝炎ウイルス検査を受ける機会のない方(①に該当しない方)で、政令指定都市(さいたま市)及び中核市(川越市、越谷市)を除く、県内の市町村に在住の方で肝炎ウイルスに感染の機会、心配のある方で本検査を希望する方。 市と県の検査では市の肝炎検査が優先となります。
必ず前もって受付日時等を事前にお問い合わせの上、受診下さい。
肝炎ウイルス検査申込書をダウンロードし記入し受診してください。
自己免疫性肝炎・原発性胆汁性肝硬変
オーバーラップ症候群
診断基準による評価・加療
ステロイド製剤/免疫抑制剤での肝炎治療
経口剤治療(ウルソ, フィブラート,EPA等)
非アルコール性脂肪肝・脂肪性肝炎 (MASLD ~ MASH)
減量指導・運動療法
経口薬 (適応に応じて、漢方薬, 高脂血症 治療薬,糖尿病薬の一部など)
画像評価
アルコール性肝疾患
飲酒欲求抑制薬(レグテクト)
嫌酒薬(ノックビン、シアナマイド)
禁酒指導
肝機能評価と画像評価
精神科・アルコール専門病院への紹介
まれな肝疾患の診断
特発性門脈圧亢進症(IPH)
門脈血行動態異常症(NRH,PNH)
日本住血吸虫症
他の系統疾患に合併するもの(まれ)
肉芽腫性疾患(TB、サルコイドーシス)
血液・腫瘍性疾患の肝病変
アミロイドーシス など
腫瘍性病変の診断
原発性肝癌
胆管癌
血管腫
肝嚢胞
肝細胞腺腫
転移性肝腫瘍
その他
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肝炎助成制度申請のための診断書作成
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身障者福祉法(肝機能障害)の障害者認定診断書作成
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肝癌治療のための専門病院への紹介
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他施設での肝臓疾患治療のセカンドオピニオン
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肝移植実施施設・移植ネットワーク・コーディネーターへの紹介
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高度先進医療の相談
非B非C肝硬変の成因
非アルコール性脂肪性肝炎による肝硬変
が増えています (肝臓学会実態調査集計より)
アルコールを飲まない、ウイルス肝炎もない人の肝硬変・肝臓がんの原因として、代謝機能障害関連の脂肪性肝炎(MASH:non-alcoholic steatohepatitis)~非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)が問題になっています。
特に、メタボリックシンドロームや糖尿病の人、肥満の人、今はやせているが、もと肥満であった人などに多く、脂肪肝といわれたことがある方は、知らないうちに肝硬変や肝臓がんに進行することがあるので、注意を払う必要があります。