禁煙外来

喫煙は動脈硬化症の進行を促進し、心筋梗塞脳卒中血管病のリスクを高めます。また、肺気腫慢性閉塞性肺疾患肺癌などとの関係が示されています。

禁煙したいと思っていても、なかなか達成できない理由としてニコチンに対する薬物依存症があります。

ニコチンには強い習慣性・依存性があり、一旦依存症になると、禁煙によりイライラしたり、集中力が落ちたりといった、離脱症状を起こします。タバコの代わりにニコチンガムやニコチンパッチを用いても、ニコチン依存症から脱却できないと禁煙は継続できません。禁煙外来では、ニコチン依存症にたいして、ニコチン受容体をブロックする薬を用いて治療します。これにより、離脱症状を起こしにくくして3ヶ月内服を継続できれば、最終の禁煙率は60%近いとされています。 

当院では、ニコチン依存症に対する薬物療法のみでなく、生活指導面についても指導・サポートします。

 

禁煙治療の実際(ニコチン依存症の治療)

禁煙治療は、保険適応があります。年に1回、3ヶ月以内、受診や検査、保健所への成果の報告が必要など制約があります。 問診(禁煙の意思確認)、生活指導、検査の後、禁煙用の薬を処方します。ニコチン依存症の治療薬として認可されているバレニクリン(チャンピックス)を3ヶ月内服します。

このお薬は、脳内のニコチン受容体に作用してタバコのニコチン刺激を遮断して依存を克服するものです。

初期に、一過性に倦怠感・悪心・不眠・眠気などが出ることがあり注意が必要です。

3ヶ月の内服継続で6割近くのかたが禁煙達成できたという報告があります。

受診ごとに禁煙の指標として、 呼気中一酸化炭素濃度を測定 し、禁煙状況を確認します。

一酸化炭素は、酸素の250倍以上ヘモグロビンと強く結合しやすく、血液から放出されにくいため、一旦取り込まれると酸素の運搬を妨害し、脳機能の低下や動脈硬化の原因となります。また酸素分圧の低下から作業効率を低下させます。呼気中の一酸化炭素濃度は、不完全燃焼環境下の酸欠状態でも低下しますが、通常は1日あたりの喫煙の本数をほぼ反映するとされます。一般的には、非喫煙者で 7ppm以下、ヘビースモーカーで25ppm以上とされます。

この呼気中の一酸化炭素濃度測定により、禁煙外来の指標とし、達成状況を客観的に評価します。

 

禁煙外来にかかる費用

初診から最終判定までの12週間を禁煙外来期間とします。初診時に、問診や指導、血中一酸化炭素濃度測定および本人の禁煙宣言書をいただき、以後、定期的診察・検査・処方があります。12週間(約3ヶ月)でかかる費用は、当院の場合、初診料・管理料・処方箋代などで3割負担の場合、総額7,000円程度です。別途、薬局で薬代が11,000円程度(12週間分で)かかります。 (総額 18,000円程度/3ヶ月)

禁煙不成功の場合、希望者には、1年の間隔をあけて再度試みることができます。

 

[外部リンク]

 たばこの害について  (政府広報) (Adobe Flash Player 10.1以降が必要です)

 

 しっかり禁煙 禁煙を実行しよう |厚生労働省 

 

 

COPD(慢性閉塞性呼吸器疾患)

COPDとは、肺気腫慢性気管支炎といわれていた病気で、主にタバコの害などで、肺胞が壊れて弾力性を失い、また、気管支に炎症が起こり、気管支の内腔が狭くなります。その結果、空気がうまく吐き出せなくなって息切れなどの症状が出る進行性の病気です。 診断には、胸部X線や スパイロメトリー(肺機能検査) が必要です。

COPDは、全身疾患といわれるほど、全身の症状、合併症が出ます。

対策・治療としては、完全禁煙、予防接種、栄養指導、運動療法、吸入薬治療(LAMA/LABA/ICS/内服薬/SABA)などがあります。

次期国民健康づくり運動プラン(H24年から10年間)にて、COPDは、がん、循環器疾患、糖尿病にならぶ腫瘍取り組み疾患に挙げられています。特に、COPDの知識を普及させ、禁煙に取り込むことが重要視されています。

このように、COPDの治療・予防は、禁煙と切り離せないものです。その兆候のある人は、早期に発見し、自己管理することが重要です。 このような観点に立ち、当院では禁煙外来を診療の重要な柱と位置づけております。

※ COPDの可能性がある人

①40歳以上でタバコを吸う、または吸っていた ②慢性的に咳・たんが出る ③息切れがする

 

このような方は、ぜひ一度呼吸機能検査を受けて、COPDのリスク、肺年齢を調べることをお勧めします。

鑑別疾患として、気管支喘息、間質性肺炎、じん肺症、心臓疾患、などがあり、検査によって鑑別可能です。

 

またCOPDと診断された方は、肺機能を落とさないためにも、早期の治療開始・禁煙を平行して行うことが必要です。