B型肝炎・C型肝炎

B型慢性肝炎もC型慢性肝炎もウイルスによる持続感染 (一過性感染もあり)が原因ですが、肝硬変・肝臓がんに移行することもあり、難治性の点で問題になっています。B型肝炎・C型肝炎は日本人の50-100人に一人が罹患しており、治療の進歩により早期発見・治療を受ければかなりの確立で、コントロール~排除できる状況になってきました。     しかしながら、いまだに問題点が残っています。

急性肝炎の原因として、今でも多くはB型肝炎によるものであり、特に性的感染によるものでは遺伝子型AのB型  急性肝炎が増えており、キャリア化することもあるので注意が必要です。

ワクチン接種で防げるB型肝炎ですが、積極的に受ける人は少ないようです

 ⇒当院でB型肝炎ワクチン接種が可能です.

B型肝炎に関連する肝臓がんは、治療の進歩にかかわらず減少傾向にありません(C型肝炎によるがんは減少傾向)。

肝炎と判明しても自覚症状がない、多忙であるなどの理由で放置し、肝硬変・肝がんに移行するケースがあります。

C型肝炎はウイルスが従来は難治性でしたが、現在では、経口薬でほとんど治るようになりました。

 (B型肝炎はウイルス完全排除が困難であり、今後もコントロールが治療の主体です)

国や県がウイルス肝炎治療に対する助成制度を設けて、費用を補助しています。

過去の治療がうまくいかず、治療薬に対する耐性ができてしまった方や重度の肝硬変の方も、治療法の見直しが検討されています。

かかっている医療機関で、あまり良い説明を聞かなかったため、治療に消極的になっているケース。

 このような例に対して、当院では最新の状況を踏まえて専門医としてアドバイス・治療法を提示します。

 ご希望の方は、ご相談ください

肝炎についての詳しい情報はこちら
肝炎医療費助成制度について

C型肝炎の経口薬治療 ( 当院でのインターフェロンフリー治療)について

C型肝炎ウイルスは、経口直接作用型抗ウイルス薬(DAAs)により排除できる方法が確立されています。ウイルスの増殖機構に介入し、RNAウイルスの複製・増殖時に必要な非構造領域蛋白の合成阻害やウイルスのRNA複製・増殖を阻止する経口薬を使用するものです。 HVCウイルスの遺伝子(RNA)は、ウイルス本体をコードする構造領域(コア領域など)とウイルス複製・増殖に必要な蛋白(プロテアーゼやポリメラーゼ)をコードする非構造領域(NS3,4,5などと呼ばれる)に分かれます。リバビリン(抗ウイルス薬)はHCVの核酸および蛋白合成を阻害したり、RNAポリメラーゼを阻害するとされていますが、それ単独のみではウイルス排除にいたらず、DAAsとの相加・相乗作用で排除する仕組みです。 経口薬のみの治療でウイルス増殖を阻止して排除するという方法に進歩しています。作用機序としては、非構造領域の蛋白合成阻害直接核酸の合成阻害に働く(核酸アナログ製剤)に分けられますが、これらの併用・組み合わせにより、ウイルス排除の率も良いため、インターフェロン治療に置き換わるインターフェロンフリー治療として第一選択になりつつあります。 令和2年12月時点で選択できるDAAs治療は以下です。

①ダクラタスビル及びアスナプレビル併用療法(ダクルインザ・スンベプラ)
②エルバスビル及びグラゾプレビル水和物併用療法(エレルサ
・グラジナ)

グレカプレビル及びピブレンタスビル併用療法(マヴィレット)

④ソホスブビル及びリバビリン併用療法(ソバルディ・リバビリン)
⑤レジパスビル/ソホスブビル配合錠(ハーボニー)  

⑥ベルパタスビル/ソホスブビル配合錠(エプクルーザ) 

DAAs治療薬は、新薬開発や効果・耐性・副作用の点で入れ替わりがあり、ここ数年での動きはようやく落ち付いた感があります。治療薬の概要のまとめを表に示します。

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B型慢性肝炎の治療

B型肝炎ウイルスはC型肝炎ウイルスと異なり、慢性肝炎の患者(ウイルス持続感染者)において、ウイルスを完全に排除できる治療法は確立されていません。 治療の主眼は、肝炎の進展を抑えること、肝がんの発生を減らすことであり、そのためには、ウイルスを減らすことのできる免疫抵抗力を高めること、ウイルスの増殖を減らすことが治療の内容となります。 大別すると、インターフェロンを介した治療法と、逆転写酵素阻害薬を用いてウイルスの増殖を減らす方法(核酸アナログ製剤治療)にわけられます。慢性肝炎患者は、自然経過でウイルスを減らすことのできる肝炎が非活動性に向かうグループと、ウイルス増殖が強く、肝炎が進行性のグループに分かれます。HBe抗原が血液中で陽性かどうかは、一つの指標として重視されます。35歳くらいまでにウイルス減少・鎮静化に向かわない患者には、ペグインターフェロン(PegIFN)で、抵抗力を高め、直接的・間接的にウイルスを減らす方法があり、またウイルス量が多く肝炎の活動性が強い、年齢が比較的高齢である患者、病態が進展した患者には、最初から核酸アナログ製剤治療(原則的に生涯内服)を導入します。

 

①核酸アナログ製剤治療

B型肝炎の逆転写酵素阻害薬である核酸アナログ製剤としては、ラミブジン(LAM, ゼフィックス), アデホビル(ADV, ヘプセラ),  エンテカビル(ETV, バラクルード), テノホビル ジソプロキシル(TDF, テノゼット), テノホビル アラフェナミド(TAF, ベムリディ)の5製剤が、今までに認可されています。LAMは耐性が出やすく、その場合はADVとの併用療法がおこなわれてきましたが、耐性の出にくいETV, TDF/TAFが第一選択薬として推奨されます。TDFTAFは、活性型TFVの前駆体ですが、腎や骨の安全性でTAFが優れるとされています。原則飲み続ける薬ですが、内服なしでも, HBV DNA 量 2,000 IU/mL(3.3 LogIU/mL)未満を達成できれば、核酸アナログ製剤は休薬可能と判断されます。

②インターフェロン治療
インターフェロン治療は、B型慢性肝炎の治療でかなり歴史がありますが、核酸アナログ製剤のように継続投与を前提にしていない治療法です。宿主の免疫力を高めるという点で、HBe抗原・抗体系のセロコンバージョンやdrug-freeを目標とした治療です。効き目の点で核酸アナログ製剤ほどの速効的効果がないため、若年の経過を見れる患者で使用したり、核酸アナログ製剤と併用する場合が多いようです。ペグインターフェロンが導入されてから、HBs抗原が消失する場合(ウイルス排除)もあるので、核酸アナログ製剤とは違った作用機序を有する治療として、
肝臓学会のガイドラインでは、この治療法を積極的に見直す方向になっています。