痛風の原因として知られる尿酸ですが、尿酸には生体内の抗酸化作用としての意味があります。
進化の過程で、ヒトは肉食動物などに認められるビタミンCの合成能を失いました。
それを補完する形で尿酸が生体内の抗酸化物質として作用しています。
ヒトの血中に最も高濃度で存在する抗酸化物質は尿酸であるとされますが、尿酸が抗酸化作用を発揮して有益であるには、一般的な健康的な尿酸レベル(いわゆる正常値)を保つことが重要です。すなわち、尿酸値が7.0 mg/dLを超えると、尿酸はプロオキシダントとして逆に酸化を促進するものとして作用し、また高尿酸血症は痛風や腎障害・心血管疾患のリスクとも関連しています。一方、尿酸値が2.5 mg/dL以下に低下すると、抗酸化作用が不十分になり、酸化ストレスによる細胞損傷のリスク(老化や動脈硬化、免疫系や遺伝子に対する損傷など)が増加する可能性があります。
本来重要な役割をしている尿酸ですが、尿酸値の意味をしっかり理解して適正値を保つようにしましょう。
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